破産申請取り下げ 「鉾座」競売懸念の声受け

 桐生祇園祭の鉾と屋台を常設展示する唯一の施設「あーとほーる鉾座(ほこざ)」(桐生市本町四丁目)を所有管理する桐生本町四丁目商店街振興組合(佐々木裕理事長、27組合員)が、前橋地裁桐生支部への自己破産申請を取り下げていたことが、12日までに分かった。取り下げた理由について佐々木理事長は「鉾座の競売を懸念する声が多いため、破産申請をいったん取り下げ、最後にもう一度だけ鉾座存続の方策を探りたい」と説明。来年1月末までに解決策を見いだせなければ、再び破産申請を行うとしている。

 同組合は経営難などを理由に11月24日、前橋地裁桐生支部に自己破産を申請。借入金は、桐生市の補助を受けて整備した有料駐車場の売却益などで完済しており、負債は同駐車場売却に伴う同市からの補助金返還請求約3786万6千円のみとしていた。

 裁判所の破産手続き開始決定が下りれば、鉾座は裁判所が選定する破産管財人の管理下となり、第三者に任意売却されるか、競売にかけられる可能性があった。

 佐々木理事長によると、同組合の破産申請後、鉾座の任意売却や競売を懸念する声が、地元の財界や市民などから同組合関係者に多く寄せられたという。

 こうした声を受け、同組合幹部は12月初旬に対応を協議。「最後の手段」(佐々木理事長)として、7日付で破産申請をいったん取り下げ、来年1月末をタイムリミットに鉾座存続の方策を探ることにした。

 佐々木理事長は「万策尽きたと思ったが、最後にもう一度だけ、鉾座存続の道を探りたい。(不調に終わった桐生市との民事調停など)過去の経緯にとらわれず、鉾座存続にどのような方策があるか、債権者である市にあらためて相談したい」としている。

 桐生市の鳥井英雄副市長は「破産手続きが始まってしまうと、(破産管財人の管理下となって)市は手出しができなくなる。一定の時間ができたので、鉾座の機能維持に向けてどのような方策があるか、市としても検討したい」としている。

 同組合は1982年、本町通り拡幅による商店街近代化を目的に、中央商店街から分離独立し設立。2000年に本町四丁目町会(自治会)所有の鉾と屋台を展示する多目的ホールとして鉾座と有料駐車場を整備した。

 しかし景気低迷で経営難に陥り、残った借入金返済のため昨年3月、同市の補助を受けて整備した有料駐車場を民間売却。借入金は完済したものの、同市から補助金の一部3786万6千円の返還請求を受けている。

 同組合は今年6月、同市に対して鉾座を無償譲渡する代わりに補助金返還請求を放棄するよう求めた民事調停を桐生簡裁に申し立てたが、両者の意見が相容れず同10月に不成立となった。

 市は4日の市議会経済建設常任委員協議会で、鉾座の寄付受け入れ要請を断った理由について「鉾座は整備時に市が多額の補助金を交付した財産。その寄付を市が受けて維持管理し、さらに市税投入するのは難しい」などと説明していた。

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