コーヒー焙煎士・岩野響さん、2冊同時出版

 桐生市小曽根町のコーヒー焙煎(ばいせん)士・岩野響さん(15)の暮らしやコーヒーに向き合う姿を記した書籍「コーヒーはぼくの杖」(三才ブックス)と「15歳のコーヒー屋さん」(KADOKAWA)が21日、2冊同時に出版される。書籍の制作過程は「自分の歩み、価値観を確かめる作業だった」と響さん。自家焙煎した豆が全国で評判となり生活が一変した今年、「さまざまな縁があり視野が広がった。まだまだ学びたいことがたくさん」と振り返る。

 響さんは4月、自家焙煎したコーヒー豆を販売する「HORIZON LABO(ホライズンラボ)」を父・開人さん、母・久美子さんが営む「リップル洋品店」の一角にオープン。生まれ持った味覚と嗅覚を味方にした「ホライズンコーヒー」は人気に火が付き、全国からコーヒー豆を求める人が殺到した。

 中学校を卒業してからわずかな期間で書籍制作の話が舞い込むなど生活の変化に「忙しくてびっくり」と響さん。2冊の本を通して「こんな生き方もあると伝わり、コーヒーに興味を持ってもらえれば」と笑う。

 書籍の開人さんと久美子さんのパートには過去の葛藤や、響さんはじめ家族への温かなまなざしが描かれている。「たくさんの縁のおかげで今がある。本を通して縁が結ばれ、また響の世界が広がってゆく」と開人さんは目を細める。

 多様な人と出会うなかで焙煎にも変化があった。「価値観が違う人には僕と違う“いい”がある」と響さん。さまざまな人の“いい”を知り、「自分の“いい”に落とし込む感覚を手に入れたい」と15歳の焙煎士は未来を見つめる。

 「コーヒーはぼくの杖~発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの」は四六判182ページ、「15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることからぼくにしかできないことへ」は四六判189ページ。どちらも1300円(税別)。全国の書店で取り扱う。

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