大黒柱を自分で選ぶ、梅田で伐採ツアー静かな人気

 桐生市梅田町の山林で、新居の大黒柱を施主が自ら選んで伐採するツアーが、静かな人気を呼んでいる。地元の林業会社が自然素材にこだわる工務店と約10年続けている恒例企画。11月に行われた同ツアーでは、住宅新築を控えた4人家族が梅田の山林で大黒柱となるヒノキを選んだ。その伐採を見守った一家は「ようこそわが家へ。感謝の気持ちでいっぱい」などと感激した様子で思いを語った。

 「どの木がいいかな」「こっちにもあるよ」。桐生川ダムのさらに上流、梅田ふるさとセンター近くの山林斜面に、大黒柱を探す施主家族の楽しそうな声が響き渡る。

 沼田市で暮らす40代の父親と30代の母親、5歳と生後5カ月の兄弟の4人家族。ぬくもりを感じられる家にしたい。そう願う一家にとって大黒柱探しは欠かせない作業だった。

 やがて樹齢90年、高さ20メートルはあろうかという真っすぐなヒノキの大木に白羽の矢が立つ。ゴーッ、バリバリバリ。伐採作業を、一家は最後まで無言のまま見守り続けた。

 「言葉が見つからない。ここで何十年も生きていた木が、家族の一員になって来てくれる。『ようこそわが家へ』。感謝の気持ちでいっぱい」。父親が興奮ぎみに語ると、5歳の長男も「すごい音だったね」と笑みを浮かべた。

 大黒柱伐採ツアーは、地元で林業を営む前林(桐生市梅田町五丁目、前原裕社長)が約10年前、自然素材の家づくりに取り組むオオガネホーム(沼田市、大金泉社長)からの打診を受けて始めた。前林所有の山林で毎年10回前後行っている。

 前林の前原社長(53)は「大黒柱の生えていた場所を再訪する家族も少なくない。お客さんが喜ぶ姿を見るのが何よりうれしい」と語る。オオガネホームの大金務専務(57)も「自ら選んだ大黒柱だからこそ、いっそう家への愛着が強まる」と人気の秘訣(ひけつ)を語る。

 今回ツアーに参加した家族の新居は、2階建ての屋根まで大黒柱が中央を貫く形になるという。構造材のほとんどが桐生産木材で、壁も漆喰(しっくい)の塗り壁。来年3月に上棟式を行い、来年秋ごろに完成予定だ。

 大黒柱伐採ツアーについての問い合わせは前林(電0277・32・1311)か、オオガネホーム(電0278・22・2939)へ。

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