小島千恵美さん、クレー射撃で育成強化選手に指定

 クレー射撃選手の小島千恵美さん(38)=桐生市梅田町一丁目=がこのほど、日本クレー射撃協会の育成強化選手に指定された。10月の2017年度全日本女子選手権大会トラップ種目で、リオデジャネイロ五輪出場の中山由起枝さんやアテネ五輪出場の井上恵さんら第一人者を抑え2位に滑り込むと、その勢いを駆って育成強化選手枠を見事に射止めた。狙うは2020年、東京五輪の代表切符。「最初で最後のつもりです」。支えてくれる家族や、職場である群馬デスコの同僚、競技仲間のためにも、年明けの合宿から勝負をかける。

 小島さんはかつてスノーボード選手だった。伸び盛りだった10代の頃には長野五輪を意識したこともある。だが、大切な時期にけがを負い、夢は早々に断たれる。メーカーと契約し、プロボーダーの仕事を続けたが、五輪は遠い存在だった。

 結婚し、2児の母となった小島さんの中に、再び五輪への思いが沸き起こったのは2013年。IOC(国際オリンピック委員会)総会で東京五輪の開催が決まった。「どうしても出てみたい」と、幼少時から身近な存在だった散弾銃を手に、クレー射撃を始めた。

 「父が狩猟をしていたので、家には昔から銃がありましたから」。ただ、実際に撃ったことはなく、文字通りゼロからの出発だった。

 幸い、クレー射撃場は足利、安中、日光と、桐生市の周辺に3カ所もある。「練習環境という面では恵まれています」。夫や親の理解を得て、仕事、家事、育児をこなしつつ時間をつくり、射撃場に通っては練習を繰り返した。「まずは銃と一体になること。数を撃つよう心掛けました」。銃を調整することの大切さ、上達へのアドバイスは、射撃場を通じて知り合ったベテランに学んだ。

 結果が出ない中、きっかけは突然訪れる。今年9月、福岡県で行われた秋季本部大会で2位に食い込んだ。翌10月、宮城県クレー射撃場で開かれた全日本女子選手権大会でも2位に。4ラウンド合計85点(満点100点)。オリンピック経験者2人を押しのけての躍進だった。

 日本クレー射撃協会から育成強化選手の試験を受けるよう誘われ11月に受験。今月7日、認定の合格通知が手元に届いた。全国で5人という狭き門だった。

 東京五輪への細い糸をようやくつかんだ。「次の段階に入った感じ。これまで以上に目的を明確にして練習に取り組みたい」と小島さん。年明けからは神奈川県伊勢原市で月に1度の合宿が始まる。

 体幹の強さはスノボで培われたもの。「撃ち方がうまい」といわれる理由も、センスの一言では片づかない。

伸びしろは十分

 3キロ以上もある銃だが、「子どもを抱えるより全然軽いですから」。競技経験が浅い分、伸びしろはまだ十分。残された時間は2年。国内大会、そして世界大会で成果を出し、東京五輪の切符をつかむつもりだ。

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