船上から営巣状況を確認、高津戸コロニーで

 カワウによる漁業被害の拡大を受け、県自然環境課は20日、カワウのコロニー(繁殖営巣地)としては県内最大級の渡良瀬川・高津戸コロニー(みどり市大間々町、高津戸ダム上流付近)の現地調査を行った。カワウ研究の第一人者である山本麻希・長岡技術科学大助教(海鳥生態学)ら専門家とともに、ボートで川面から営巣状況を確認。調査後は意見交換会を開き、今後の対策を話し合った。

 高崎市(旧吉井町)の烏川・南陽台と並んで県内最大級の高津戸コロニー。県によると、県内では1985年ごろからカワウによる漁業被害が出始め、2000年ごろには高津戸で300〜600羽のコロニーが確認されるなどし、川魚が軒並み食べられてしまうなど被害が深刻化している。

 県は今年度中にも、鳥獣保護法にもとづくカワウ版の適正管理計画を策定する方針。これをにらみ、高津戸コロニーの対策を検討しようと現地調査を行った。

 調査には山本さんや、カワウの調査研究を行っているNPO法人バードリサーチ(東京)の加藤ななえ研究員、渡良瀬川の漁場を管理している両毛漁協(中島淳志組合長)と群馬漁協(大嶋進一組合長)の役員ら約30人が参加した。

 川の両岸の切り立ったがけの樹上にある営巣地には歩いて近づけないため、ボートで川面から見上げる形で営巣状況を確認した。

 この日は少なくとも25個の巣と40〜50羽のカワウが確認されたが、年3回定点調査している日本野鳥の会の寺内浩さん(桐生市)によると、今月11日の調査では同コロニーで340羽の固体が確認されており、昨年同期より約100羽増えたという。

 みどり市役所大間々庁舎で行われた意見交換会では、漁業被害の状況や考えられる対策などについて関係者が話し合った。

 山本さんは「高津戸は樹上の高いところに巣があることが分かった。ただ追い払うだけでは別の場所に群れが移動して被害が拡散する恐れもある。現場でどんな対策が有効か、コロニーをどう管理していくべきかを利害関係者と協議し、方策を探りたい」と話した。

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