テキスタイル造形作家・寺村サチコさん、活躍の場広がる

 みどり市在住のテキスタイル造形作家・寺村サチコさん(27)の活躍の場が広がっている。スウェーデンで開催中の展示会に作品を出展したほか、19日からは京都で4回目の個展を開く。関西から移り住んで3年、繊維産地に根を張る利点を生かしつつ創作に励んでいる。

 寺村さんは兵庫県赤穂市出身。多摩美術大学大学院修了。絹に絞り染めなどの技法で彩色した独特の立体造形作品を手掛ける。結婚を機に2012年、みどり市に転居した。現在は桐生市の染色整理業のアートに勤めながら活動している。

 作品を貫くテーマは「女性の美しさと裏にある醜さ」だ。

 上京して渋谷の街を初めて訪れたとき、きらきらしている女の子たちに劣等感を抱いた。彼女たちと同じような格好をしてみた時期もあったが「どんなに着飾ってもどろどろとした自分の内面は変わらない」と気づく。その原体験が表現の主題へと昇華した。

 繊維にかかわる多彩なものづくり機能を有する桐生に生活の拠点を置いたことは、必要とする加工が不自由なく行え、新たな知識や人脈を得られるなどプラスに働いた。「本当にこの地域でよかった」と実感している。

 思い返せば、当地との縁も浅からぬものがあった。在学中、課題に取り組む中で担当教授から手渡されたシルクの生地は桐生市内で織られたものだったし、染めと織りのどちらに進むべきか悩んでいたとき助言したのは、テキスタイルプランナー新井淳一さんだ。ジャパンテキスタイルコンテスト学生部門で07年に優勝した際の審査員が新井さんで、染めを続けるようアドバイスをくれたのだった。

 スウェーデン大使館が主催する同国での展示会には夏も出品を予定。これまでの個展はいずれも関西だったが、7月に東京都内での開催が決まった。今までは大型作品が主だったが、京都での作品展はアクセサリーを中心に約100点を制作。新たにスカーフも手掛けた。創作の幅も広がった。

 寺村さんは「女の子の体の中に入ってしまったような、部屋全体を覆えるような作品もつくってみたい」と先々の構想を語っている。

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