新里女児自殺訴訟 両親と市、和解の可能性

 桐生市立新里東小6年だった上村明子さん=当時(12)=が2010年に自殺したのは学校でのいじめと教師らの不適切な対応が原因だとして、両親が同市と県に3200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁の勧告による和解協議が19日行われた。高裁は、市がいじめへの対応の不備を謝罪し、解決金150万円を支払うことを柱とする和解案を提示。双方とも受け入れに前向きで、次回9月30日の協議で和解が成立する可能性が出てきた。

 双方の代理人によると、和解案は9項目あり、骨子は(1)市と県は明子さんの死に哀悼の意を表明する(2)市は、教諭らが学級崩壊の対応に腐心するあまり他の児童への指導や明子さんへの十分な措置を講じられなかったことについて謝罪する(3)市はいじめの安全配慮義務の不完全履行についての解決金として150万円を支払う(4)両親はこれ以外の請求を放棄する─という内容。

 和解案では、一審判決が認定した、自殺後に市が適切な調査をしなかったとする「調査報告義務違反」については認めず、この分は解決金には含まないと明記した。

 和解案について、両親側の弁護士は「市がいじめを認め謝罪するとの条項は両親が求めていたものであり評価できる。和解に応じるか両親と検討したい」。市側の弁護士は「調査報告義務違反はなかったことなど、市の主張を相当反映している」と述べ、ともに前向きな姿勢をみせている。

 一審・前橋地裁判決では、学校側にいじめを防ぐための安全配慮義務違反があったなどと批判。自殺との事実的因果関係を認め、市と県に慰謝料など計450万円の支払いを命じた。これに対し、市と県は判決を不服として控訴していた。

関連記事: