新設球団で夢再び、桐商出身の柿田投手

 プロ野球独立リーグ・BCリーグが11日に開幕する。今季から2球団増え、8球団となる同リーグ。新設球団で埼玉県熊谷市に本拠地を置く武蔵ヒートベアーズで新たなスタートを切るのが、桐生商業高校出身の柿田兼章投手(20)だ。大学で将来を嘱望されながらも一度は野球を諦めたが、NPB(日本プロ野球組織)入りの夢に向かって再起を期す。

 柿田投手は桐商のエースとして臨んだ高3夏、県大会決勝で惜敗したが、直球は最速149キロを記録。将来を大きく期待され、卒業後は東都六大学リーグの拓殖大に進学。1年春から公式戦に登板したが、2年夏に退部した。投球フォームを細かく直される指導が合わず、不調に陥った。

 大学も辞め、高崎市内の居酒屋チェーンに就職した。調理の仕事にやりがいを感じ、野球は趣味で十分とも割り切っていたが、高校の恩師・武藤賢治監督を通じてBCリーグのトライアウトに誘われ、心が揺らいだ。

 気心の知れた同僚に相談すると「この仕事はいつでもできる。今しかできないことをやるべきだ」と背中を押され、受験を決断。昨年11月末のドラフトで武蔵に指名された。

 半年のブランクもあり、戦列に加わるのは早くて5月。それまでは体づくりに専念する。阪神などで活躍した星野おさむ監督(44)は「伸びしろはたっぷりあるが、まだまだ高校レベル。本人の意識が変わればスカウトが来るような素材になれる」と期待する。リリーフの適性もあるとみるが、将来性を考え、先発で起用する予定だ。

 再び野球の道に戻り、「今は楽しいし指導も分かりやすい。球の切れもよくなったと思う。早く投げたいですよ」と笑顔をみせる柿田投手。1年目の目標は「先発ローテーションに入り、安定した投球をすること。5月から10勝できれば」と前向きだ。

 独立リーグでのプレーは「やっても3年」と決めている。「今年体をつくって来年勝負。それで(NPB入りが)無理なら諦める」と退路を断って挑む。

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