カッコソウの保全考える 桐生市でシンポジウム

 桐生・みどり両市にまたがる鳴神山系固有の植物で、絶滅の危機にひんしているカッコソウの保全を考えるシンポジウムが23日、桐生市立中央公民館で開かれた。パネルディスカッションでは、研究者と地元で保全活動を行う人たちが意見を交換。地域住民や行政が協力して保全活動を進めることを確認した。

「生育する環境全体守る」協議会への参加呼びかけ
 基調講演では生態学的にカッコソウ調査を行っている鷲谷いづみ教授(東京大学)と、遺伝解析を利用して希少生物の保全に取り組む井鷺祐司教授(京都大学)が登壇。カッコソウや希少生物の保全について解説した。

 続いて、カッコソウ保全を考えるパネルディスカッションが行われた。パネリストは、鷲谷教授、井鷺教授、NPO法人鳴神の自然を守る会理事の二渡忠さん、桐生自然観察の森の寺内優美子所長、市市民生活部の根岸晋次長の5人。東邦大学の西廣淳准教授がコーディネーターを務めた。

 「保全活動には地元の力が欠かせない」と鷲谷教授が説明。多くの地域住民にカッコソウを知ってもらう方法を聴講者たちにも提案した。

 また、市としての役割を問われた根岸次長は「カッコソウだけでなく、生育する自然環境全体を守っていく」と、活発な保全活動を約束。年度内に立ち上げる予定のカッコソウ保全のための協議会への参加を呼びかけた。

データ採取続けて
 「カッコソウの生態は謎が多い」と話した鷲谷教授。「地域の人が観察してデータ採取を続けてほしい。保全活動で重要な役割を担っているのは、市民科学者のみなさん」と締めくくった。

 カッコソウは、山林開発や盗掘で個体数が急激に減少。環境省のレッドリストでは「絶滅危惧ⅠA類」に。2012年5月には国内希少野生動植物種に指定されている。

パネルディスカッション

さまざまな立場で意見交換が行われたパネルディスカッション
(桐生市立中央公民館で)

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