水都・桐生の可能性探れ、法大ドクターら研究会

 電気が普及する以前、重要な動力源として桐生の産業や文化を支えた水の役割を見つめ直し、新たな可能性を探ろうと、研究者や識者らが活動を始めている。社会人ドクターとして法政大学大学院で学ぶ堀尾作人さん(37)が中心となり、「水都・桐生研究会」を設立。水路を生かした環境先進都市・桐生の将来像と、実現の方法を模索する。

 堀尾さんが師事するのは、法政大学大学院デザイン工学研究科の陣内秀信教授。人の暮らしと水との関係を歴史的にとらえ直し、エコロジーの視点から再評価する「水都学」を提唱している。

 今回の研究テーマは、自然エネルギー時代に向けた近代地方水都の再生。水都学の視点から桐生を眺め、エコシティーとしての将来像を描く。「桐生の織物業は一時期、日本の近代化を支えたが、そこには巧みな水の利活用があったはず」と、堀尾さんは期待を寄せる。

 トヨタ財団から2015、16年度の研究助成を受け、研究を開始。桐生の水利用の歴史と現状を探ろうと、群馬大学大学院の天谷賢児教授や桐生再生の清水宏康さんをはじめ、行政や市民団体、郷土史家ら約15人の識者に呼びかけ、研究会を発足。これまで2度の会合を重ねた。

 24日には陣内教授を招き、桐生市東久方町の四辻の齋嘉で水都学の講義を受けた。

 堀尾さんが現在掲げる水都・桐生のテーマは、「用水路の水車設置」「新川の水辺復活」「小水力発電と電気自動車の連携」など。

 「自然エネルギーの有効利用には、都市の特性理解が不可欠。桐生には水都の痕跡や記憶が数多く残り、復活の可能性は十分ある。今後も調査研究を重ね、自然エネルギー産業と観光の水都実現につなげたい」と、堀尾さんは語っている。

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