4月末で鉾座閉鎖へ、本四商店街が存続危機

 桐生市本町四丁目で桐生祇園祭の鉾(ほこ)と屋台を展示する多目的施設「あーとほーる鉾座」。所有する本町四丁目商店街振興組合(加藤昇理事長)が経営難に陥り、同館の5月以降の運営見通しが立たない状態であることが、31日までに分かった。同組合は借金返済を迫られて有料駐車場を売却し、収入源の柱を失い同館の自主運営を断念。4月末で一時閉鎖する。同組合は同館存続の道を探るが、補助金返還請求が見込まれるなど資金繰り悪化は必至で、再開の見通しは立たないままだ。

 同組合は1982年設立。国の特定商業集積整備事業の一環として2000年、明治初期に造られた四丁目の鉾と屋台をステージにした同館(高さ約15メートルの鉄骨造2階建て、約537平方メートル)と、有料駐車場「本四駐車場」(約1158平方メートル)を整備した。

 同組合によると、総事業費約5億3000万円のうち、約1億7000万円は国から県を通じて融資される無利子の「中小企業高度化資金」を活用。残りは国・県・市からの補助金約3億3000万円などで賄った。

 中小企業高度化資金の返済には、ホールやスタジオを備えた同館の使用料や、同組合所有の二つの有料駐車場収入を当て込み、20年(5年据え置きで年間約1100万円の15年返済)で完済する計画を立てた。

 しかし当初年間2000万円以上あった同組合収入は、館や駐車場利用の低迷などで数年後には半分以下に激減。計画通りの返済は2年だけで、それ以降は半額近い年間約600万円を繰り延べ返済してきた。

 今年度までの返済額は約7000万円で、残額は約1億円。県が来年度以降の繰り延べ返済を認めなかったことから、同組合は今月24日、所有する二つの有料駐車場を民間に売却して残額約1億円を完済した。

 しかし有料駐車場という最大の収入源を失ったことで、同組合は同館運営に必要な経費負担の見通しが立たなくなった。4月末で貸館利用を停止して電気やガス、水道を止め、5月1日から閉鎖することにした。

 市の補助金を活用した有料駐車場の売却を受け、市は同組合に補助金の返還請求を行うことをすでに通知済み(請求額は検討中)。同組合は市に同館の譲渡を打診するなど存続の道を探るが、国・県・市の補助金を活用した同館の譲渡は難しく、同館再開のめどは立たないままだ。

 同組合の加藤理事長は「多額の補助金を活用した事業が行き詰まってしまったのは、景気低迷を予想できなかった自分たちの責任。収入源を失った以上、組合がなくなることも覚悟している」と語る。

 その一方で、「鉾座は、桐生が誇る歴史文化遺産である鉾と屋台を展示する貴重な文化施設。どうしたら今後も残すことができるか、新たな運営先に引き継ぐ方法がないか、可能な限り探りたい」としている。

 鉾座に展示中の鉾と屋台は、本町四丁目町会(自治会)の所有。桐生には幕末から昭和初期にかけて造られた屋台6台と鉾2台が現存するが、その多くは解体されて蔵に収められている。鉾座は組み上がった鉾と屋台を同時に見ることができる市内唯一の常設展示施設として知られている。

関連記事: