思いやりに感謝を込めて、障害児の母たち「ハートバッジの会」

 桐生・みどり地域で生活する障害児の母親たちの団体「ハートバッジの会」(代表・有家久美さん)の活動が広がりを見せている。同会は今春、自閉症や知的障害などの子どもや保護者が身に着け、障害を持っていることを周囲に知らせる「ハートバッジ」を作製した。地域に向けての周知や、障害への理解を深めてもらおうと活動を展開。会を知った県内の障害児の保護者から「バッジがほしい」との声が多数届いており、有家さんは「多くの人にバッジやマークが浸透するように進めたい」と話している。

 新里保健文化センターで開かれた障害児の母親の集まりで知り合い、発足した同会。ハートをモチーフにした「思いやりマーク」をあしらったバッジやキーホルダーなどのグッズを作製し、子どもの障害を周囲に知ってもらいたいと考える保護者に配っている。

 自閉症や知的障害などの子どもたちは外見だけでは障害がわかりにくい一方で、公共の場所で大きな声を出したり、道路に寝て動かなくなったりと、感情のコントロールができないことがある。

 怒ることもなだめることもできず、落ち着くまでそっとしておくと周囲の人から好奇や非難の目で見られるケースもあり、しばしば対応に困る。また、公共のトイレで親が付き添うときにも「子どもがある程度大きくなると周囲への配慮に苦労する」という。

 そんな経験を共有するメンバーの一人桑原由夏さん(36)=新里町新川=の「障害があることがわかるマークがあったら」という声をきっかけに会を発足。代表の有家さん(37)=新里町山上=を中心に、地域の協力を得て活動を進めてきた。

 活動は広がりを見せ、有家さんの息子(10)が参加する「障がい児者和太鼓の会どんどんクラブ」を通じて、県内の障害を持つ保護者から「マークの付いたグッズがほしい」と問い合わせが届き、注文を受けたバッジは120個を超えた。有家さんは改めて「たくさんの人が同じ悩みを持って、必要としていることを実感した」。

 広く認知されると同時に、課題も感じている。「マークに託したのは『優先してもらおう』とか『周囲にがまんしてもらおう』という意味ではない」と桑原さん。記された「その思いやりに感謝します」という言葉を大切に、「障害を持っている子どもたちを見守ってもらえたら」と願う。

 有家さんと桑原さんは「周囲の人とマークをつけている側、両者に正しく意味を理解してもらえるように広めていきたい。課題は山積みだけど、必要としてくれる人がいることがありがたいです」とうなずき合う。

 問い合わせは同会(メールアドレスheartbatch@gmail.com)へ。

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