イノシシ堤防被害どう防ぐ、流域の自治体連携

 渡良瀬川流域でイノシシによる堤防の掘り返し被害が深刻化している現状を受け、桐生市など沿線自治体や河川管理者らが被害対策などを情報共有する「渡良瀬川イノシシ対策連絡会」が20日午前、足利市の国土交通省渡良瀬川河川事務所で発足した。初会合では同事務所が前年度、桐生川を中心に管内の被害が900カ所を超える現状を報告。河川敷の捕獲おり・防除柵の設置やイノシシ移動調査を提案し、より広域での対策と情報共有が必要として沿線自治体などに連携協力を求めた。

 同事務所管内では、堤防の強度低下を招くイノシシの堤防被害が2013年度367カ所、14年度675カ所(前年度比84・0%増)、15年度933カ所(同38・2%増)と急増し、桐生出張所管内が約9割を占める。

 今回発足した連絡会は、各行政機関が連携して被害や対策の情報を共有しようと、同事務所の登坂新次副所長を会長に、国と群馬・栃木両県、堤防被害のある桐生・足利・太田の沿線3市の担当者ら約30人で発足した。

 初会合では同事務所が、堤防斜面の張り芝・土木シート設置や河川敷での大規模伐採などの対策を報告。今年度から河川敷での捕獲おり・防除柵の設置や、伐採前後のイノシシ移動調査(宇都宮大学が協力)なども始めることを明らかにした。

 その上で、河川敷周辺も含めた広域での対策が必要として、各行政機関に情報共有などの協力を要請。効果的な対策実施へ連携強化を呼びかけるとともに、流域住民に周知するための勉強会開催などの意向も示した。

 登坂会長は「桐生川を中心に被害が増えている危機的状態。それぞれ対策を進めている沿線自治体と、この場を通じて情報共有を図りたい。流域住民向けにシンポジウムを開いて情報発信したい」などと述べた。

 問い合わせは国交省渡良瀬川河川事務所(電0284・73・5551)へ。

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