透明な瞳

ニホンアカガエル

【メモ】ニホンアカガエル(アカガエル科)

 久しぶりのまとまった雨は生き物たちを包み、大きく伸びをさせた。

 じとり湿った空気に響くカエルの呼び声をたどる。のっしのしゆく長靴の足元で、たくさんの小さな命がぴこぴこ飛び跳ねる。いまだ残る尾っぽは、ふにふに随分かわいらしい。雨に誘われて上陸を果たしたのだ。

 そんな良き日にうっかり捕まり、乗せられた手の上で遠く遠くを見つめる目に、この世界はどう見えるんだろう。そっと顔をのぞき込めば、その透き通った瞳に映るヒト。

 再会してもお互いを認識できないだろうけれど、であったことは忘れないよ。

 夕刻、ほんのり差しこむ日が大地をあたため、もやが立ち上る。目の前に広がる色は、何だかぼんやり、見えにくい。

(2015年6月4日掲載)

桐生自然観察の森で出合った生き物を紹介しています。
 icon-link 桐生自然観察の森、電話:0277-65-6901

関連記事: