踊りの意味

 昔、夏の祭りの季節に佐渡を訪れた。船で島に渡り、両津から路線バスで山を越え、波の穏やかな浦の集落に着く。海にほど近い友人の実家に世話になり、食事をいただき、海で泳いだ。短い滞在だったが、海と空の青が鮮やかな記憶である▼夜、遠くから歌声が聞こえた。その音に導かれて足を運ぶと、集会所前の広場で人びとが踊っていた。佐渡おけさである。せっかくだからと交ぜてもらい、見よう見まねで手足を動かした。動きはけっして速くないので簡単そうなのだが、踊ってみるとスムーズにいかず、ぎこちない。それでも1時間ほど練習すると、少しは様になった▼背後に山の森が迫る、ほの暗い会場。でも、明るすぎない空間で、人びとが輪になって踊る場には、落ち着いた気配が漂っていた。何のために、誰のために踊るのかと、そんなことを自問させる時間だった▼先日、桐生八木節まつりのエネルギッシュな踊りを見ながら、楽しさを感じる半面、一抹の寂しさも覚えた。イベントとなったまつりに参加するには、こちらにもエネルギーが求められる。そこに疲れを覚えるのは、こちらの加齢のせいなのか▼薄暗い中で静かに踊った佐渡の夜が、懐かしくよみがえった。(

資金調達、予想超える額に 11月をめどに起業へ

 除草効果を持つウッドチップモルタル平板の事業化を図り、クラウドファンディング(インターネットによる資金調達)で資金を募った群馬大学理工学部の板橋英之教授(54)は、11月を目途に学内起業する計画だ。資金は目標の50万円の18倍を超える935万円が535人から寄せられ、「予想を上回る支援をいただき、感謝しています」と話している。

さらなる高み目指す 3年4人も全中出場

 19~22日に熊本市で開かれる全日本中学校陸上競技選手権大会(全中)に、桐生地区(桐生・みどり両市)から3年男子生徒4人が出場する。笠懸南中の北村勇貴選手(1500メートルと800メートル)と富井海斗選手(走り高跳び)、中央中の嶌田絢介選手(砲丸投げ)、樹徳中の深澤宏輔選手(1500メートル)。先月の県総体を新記録で制した清流中2年の帰山侑大選手(1500メートル)=8月4日付16面既報=も含め、全中参加標準記録を突破した5人が全国の舞台でさらなる高みを目指す。

下から見るか

 足利の花火大会にお呼ばれした。桐生八木節まつりの中日のことで申し訳ない気がしたけれど、せっかくなのでお邪魔してみる。案内されたのは人であふれる河川敷、打ち上げ花火を真上に見る場所だった▼ほどほどに月と星が見える黒い空。視界いっぱいに花火が開く。同時にどおんという轟音が心臓に響く。散る。静かに残り火が燃え尽きて、花火の形をした煙が風にゆがむ。たなびく▼尺玉にスターマイン、仕掛けにフィナーレのナイアガラ。次々と繰り広げられるショーから目を引き離して振り向けば、この行事を楽しみはしゃぐ表情が色とりどりの光に照らされていた▼そして観客が空を見ているうちに、地上ではものすごいスピードで次の準備が進められる。黒い衣装に身を包んだ職人たちが、文字を浮かび上がらせる仕掛け花火を仕込んでゆく。彼らは空を見上げることなく、ライト一つで淡々と動き回り準備を進めてゆく▼これまでは遠くから眺めただけでわかった気になって、「まあ、混雑の中に飛び込んでいくほどでもないかな」なんて言ってたけれど、現場は別物。思わずこぼれた拍手と歓声はあの場ならでは。打ち上げ花火、下から見ないとわからないことがあるのだ。(

「歴史的風致」維持向上を、計画作成、国に申請へ 桐生市

 桐生市は固有の歴史的町並みや伝統文化を生かしたまちづくりを進めるため、「桐生市歴史的風致維持向上計画」を作成する。桐生市歴史まちづくり推進協議会(会長=及川康・東洋大学都市環境デザイン学科准教授、委員17人)が3年がかりでまとめた計画案を10日に発表、市民の意見を募集しており、庁内での再検討をへて、国(国土交通省・農林水産省・文化庁)に認定を申請する。