いのちの声

 「あの事故に巻き込まれなければ、大助は今ごろ笑顔だったはずなのに」―。22年前、バイクで走行中に車にはねられ、18歳で命を落とした山田大助さんの母・穗子さん(64)=桐生市菱町三丁目=は、息子を失った悲しみを背負いつつ、みどり市大間々町の旧神梅小体育館で開催中の「生命のメッセージ展」で来場者を迎えている▼大助さんと同様に、事故や事件で命を奪われた人たちの等身大のパネルが並ぶ同展。飲酒運転やスピード違反の車の犠牲になった命や、いじめ、暴力、医療過誤の被害者ら158の「メッセンジャー」と呼ばれる命が、声なき声を発している▼メッセンジャーたちの声は、無念さや怒りよりも「命を大切にしてね」というやさしさのようにも感じる。「メッセンジャーに会うと、どんな人もやさしさを取り戻すんです」。実行委員会の代表でもある穗子さんは言う▼私たちは誰でも事件や事故の被害者になりうるし、加害者にもなりうる。同展は、理不尽に奪われた命への鎮魂であり、私たちの反省であり、悲しみを少しでも減らすための道しるべとなる。28日までの午前10時から午後5時(最終日は同3時)まで。多くの人に見てほしいと思う。(

小さなマーケットの魅力

 先日、いくつかのフリーマーケットを訪ねた。規模の差こそあれ、限られた空間に売り場が並び、個人が手づくりした雑貨類や、すでに生産されていない懐かしい品々が、小さな店先を彩る。品物の陳列の仕方や店の装いなどに、店主のこまやかなこだわりが見え、味わいがある。あいさつを交わしながら、店を巡る楽しさに浸った。

新川遊園地乗り物券、半世紀ぶり“里帰り”

 昭和の時代、子どもたちの一大テーマパークであった新川児童遊園地の「乗り物利用券」が見つかり、桐生が岡遊園地に寄贈された。利用券に記された日付は「昭和45年11月1日」で、翌1971年2月の閉園を目前にした時期のもの。約半世紀の間、大切に保管していた小林光雄さん(77)=桐生市梅田町四丁目=は、当時のまま色あせない紙片を手に「にぎわっていた当時の資料として保管し、活用してもらえれば」と話した。

天沼FC、U―9で優勝 松田杯サッカー

 第2回松田直樹杯少年サッカー大会(桐生市サッカー協会少年サッカー連盟主催、桐生タイムス社協賛)が20、21日、桐生市相生町のユーユー広場で行われた。

カエルのカ

 初夏の花とアマガエル、たくさんのジャコウアゲハと会って、野外取材を満喫していた。が、ふと両 の目に違和感。目頭が痛がゆいし、まぶたもはれて、充血した目からは涙。花粉症持ちだから「一体何 が原因だ」とほうほうの体で逃げ出した▼そんな強烈な症状も翌日には元通り。だから取材の電話で「 何かのアレルギーでえらいことになりまして」なんて笑い話を提供したら「アマガエルでも触ったんじ ゃないですか」。それだ▼アマガエルの粘膜には身を守るための毒があって、手で触れるには問題ない が目や口には大変危険。前髪を払ったときにでも付着したのだろう。直接こすっていたら今頃、病院通 いである▼名誉のために言えば、普段は野外観察の鉄則「生き物に触ったら手を洗う」を実践する。だ からこれまでアマガエルとうまくやってこられた。彼らは決して「お友達」でなく、ふとした気の緩み で互いに痛い目にあうような、緊張をはらんだ関係▼何はともあれ、カエルのカの字も出さないのに「 触ったでしょう」と行動を当てられたのは「生き物が好きでしょう」と言われた気がして、うれしかっ た。慣れ合うことのできない距離も含めて、やっぱり彼らが好きなのだ。(