つながる

 朝起きて、部屋を出る。ネコたちが足元にすり寄ってくる。ごめんごめん、おなか減ってたねえと、皿にごはんを盛る。毛の抜け替わる時期なので、「毛玉ケア」のごはんをまぜて▼すぐに顔を突っ込み、がつがつ食べる。よかったよかった、しっかり食べてくれている。ひとしきり食べて満足したようで、毛づくろいを始めた▼ネコの顔を見ても笑っているとか喜んでいるとか表情は正確にはわからないが、そのしぐさを見れば、満足なのだなと思う。何とも言えず、幸せな気分になる。自分が食べたわけではないのに、ネコがごはんを食べただけなのに▼ネコに限らず、もしゃもしゃとドッグフードを食べているイヌ、地面をついばんでいる小鳥、何かをくわえて飛び去るカラス…、何かを食べていたり、その後、ぼーっとしているのを見ると、なんだか幸せな気分になる▼いや動物に限らず、人もそうだ。食べておいしい、満腹でうれしい。こちらは表情がストレートに伝わるから、わかりやすい。グルメ番組が人気なのはきっとそういう理由なんだろう。料理人を目指すのは、きっとそういう理由なんだろう▼根底にあるのは、命がまた少し、つながった、そんな幸せ。少し大げさではあるけれど。(

つないでくれる人々

 「駅のどこかに点字があっても視覚障害者にはそこに点字があることはわからない。どんな本が読みたいですかと言われても、どんな本があるか、私たちにはわからないんですよ」

茂木健一郎さん発案、6月に有鄰館で「夏至祭」

 講演で訪れた桐生市を気に入った脳科学者の茂木健一郎さんが、市内在住の友人らとともに「桐生で面白いことやろう」と発案した初イベント「夏至祭in Kiryu 2017」が6月24、25日、同市本町二丁目の有鄰館で開かれる。茂木さんの講演や、映画「FAKE(フェイク)」の森達也監督との対談、同映画上映、環境から未来を考えるシンポジウム、コンサート、アート作品展示など、多彩な催しで祝祭空間を彩る。実行委員会は「ちょっと知的でアートな催しを、お祭り気分で楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

地域ぐるみで子育てを 出前サロン、初の交流事業

 地域の子どもや保護者と住民の交流を図る取り組みが17日、桐生市立梅田公民館で開かれ、未就園の子どもとその親20組ほどが参加。梅田婦人会(川島長子会長)を交えて遊びや散歩を楽しんだり、地元住民らのハーモニカ演奏に合わせて歌ったりと和やかなひとときを楽しんだ。

悲恋の復活

 茶箱を開けると防虫剤のにおいがムッと立ち上った。薄紙をそっと取ると、次々現れたのは美しい人形8体。桐生からくり人形芝居「吉祥寺恋之緋桜」に登場する、八百屋お七と寺小姓の吉三郎が各2体、小坊主3体と丁稚の豆松。傷みもなく、立ち会った人たちから感嘆の声が上がった▼2004年5月のこと。当時桐生からくり人形保存会は東大工学部で講義・実演したり名古屋のトヨタテクノミュージアムに出張したり、目覚ましく活動の幅を広げていた。自由な発想と遊び心による江戸のものづくりが、最先端のバーチャルリアリティーや産業技術からも注目された▼座敷からくりや山車からくりは各地にあるが、からくり人形芝居が残るのは桐生のみ。浅草奥山から伝わって織物機械の技術がありスポンサーがいて、天満宮御開帳臨時大祭ごとに各町会が競った出し物が、御開帳が行われなくなっても復活上演されている。特異なことだ▼「八百屋お七」も眠りから覚めて、精巧なレプリカが舞台をつとめる運びとなった。現存する桐生からくり芝居は仇討ちか決闘か恋物語か。恋しさ逢いたさに火付けし櫓に登って半鐘を叩くお七、火事と喧嘩を華とした時代の物語がいとしい。(