おいしさ

 料理店で食べた米ナスの味が忘れられず、わが家で挑戦してみた。ナスを焼いたら皮をはぎ、だし汁にしょうゆ、酒、みりんなどでつくった漬け汁に浸して冷ます。結果、味はまずまずなのだが、店で食べた料理のうまさからはほど遠い▼おいしいと思ったらまねてみることは基本で、もう一つ、コーヒーのドリップについても、ある喫茶店のマスターの作法を眺め、それを実行している。これまでのやり方から、少し変えるだけなのに、味が変わってしまうから不思議▼先日、群馬大学理工学部で開かれた未来創生塾の味覚実験を取材したが、そのとき、ニンジン嫌いな男の子が、「鼻をつまみ、すりおろしたニンジンを食べたら、味が分からずに食べられた」と話していた。もちろんそれは「おいしい」という次元ではないが、「食べられた」という喜びが、子どもにはある▼私たちはいったい何をもって「おいしい」と思うのだろう。宝田恭之教授は、甘味、酸味、塩味、苦味、それにうま味のバランスだけでなく、食感、見た目、香り、温度、親しい人との会話、食卓の環境など、構成要素は多彩だという▼だとすれば、料理の腕はさておき、改善できる要素はありそう。希望がわいてくる。(け)

2コンテスト新設 「祇園」新聞や鉾の曳き違いも

 官民の構成団体で分担する11の委員会から約60人の委員が出席。4月の前回会合で各委員会から募った第50回記念特別事業(予算額800万円)の企画内容や予算の大枠を決めた。

吾妻山登頂1万回の人

 夜来の雪がやんであたりが一面の銀世界になった早朝、だれもいないことを見越して吾妻山に登ったのは、さて、20年以上前のことだったか。山頂は深い雪に覆われていて、山肌から立ちのぼる雲の切れ間にのぞく市街地をひとりながめて、朝日が顔をだすのを待っていた。

みどり市職員給与カットへ 7月から来年3月まで

 政府が東日本大震災の復興財源として地方公務員の給与引き下げを求めている中、みどり市の石原条市長は23日、市議会6月定例会に職員給与引き下げの条例案を提案する考えを明らかにした。桐生市は、県内12市でつくる県市長会(会長・清水聖義太田市長)で足並みをそろえる動きがあることも踏まえ、「現段階では実施の可否を検討中」としている。

1万の重み

 「香取さんならきょうはまだ登ってないよ」「香取さんはもう下ったよ」―。吾妻山に登っている人なら、誰に話しかけてもだいたい知っている。本人は決して目立ちたがりではないのだが、登場する数があまりに多いのと、誰にでも気さくな笑顔をふりまくから、いつしか有名人になってしまった▼そんな香取逸夫さん(76)がきのう午前7時すぎ、吾妻山に「1万回目」の登頂を果たした。どこからともなくそれを聞きつけた愛好家仲間数人も一緒に登り、用意のいい佐藤功さんがノンアルコールビールを持参して、山頂はちょっとした祝賀会場となった▼足かけ30年間、ここ数年は1日2回、年間400回以上のペースで登り、積み重ねてきた数字。本人は「たいしたことじゃないんですよ」と繰り返すけれど、一つのことを地道に続けることの偉大さはすごいとしか言いようがない▼「そりゃ、剱岳や槍ケ岳にも行ってみたかったけれど、店がありましたからね…」。本当は北アルプスの名峰にも挑みたかったが、73歳まで経営した眼鏡店を休むわけにはいかなかったと本音も漏らす。だが、吾妻山登頂記録の最高峰を打ち立てたその偉業は、百名山制覇よりも立派だと、個人的には思う。(成)