田舎道

 開けた車の窓から入る強い風すらぽっかぽかの、出先からの帰り道。においたつ梅の花に惑わされ、いつもと違うルートで戻ろうと選んだ細い田舎道。運悪く、工事に出くわした▼遠回りになるけど、年度末だし仕方ないねと、指示どおりに左折。前を走っている車が、その先で右折した。ああ、そっちが迂回路なのかなと、追いかけるようについていく。車1台ようやくすれ違えるくらいの道幅。多少の不安を抱きつつ慎重に進むと、見覚えのあるスーパーの角に出た▼まごうことなく、初めて通った道だった。50年近く生きてきて、記者として20年以上あちこちを回ってきたけれど、まだ通ったことのない道なんてものがあったのだなと知る。きょうこの道を通らなかったら、あの田舎道に工事がなかったら、きっと今でも知らなかった道。迂回なんぞさせられてイヤだったし不安だったけれど、今にして思えば、新しい道を知った貴重な経験▼つまずいたりとか不運とか失敗とかあっても、後になれば「それがあったからこそ」と思えるようなことは、ふだん気づかないだけで実はあっちこっちに転がっているのだな▼立ち止まってたら、そのまんま。進めば開ける。そんな春の田舎道。(篤)

高まる駆け込み需要 まとめ買い本格化

 4月の消費増税まで半月を切り、駆け込み需要が高まっている。桐生・みどり両市の小売店でもまとめ買いする客の増加は顕著で、月末が近づくにつれて勢いはさらに強まりそうだ。

春の舞台を踏みしめて 桐一高野球部が甲子園練習

 【18日・阪神甲子園球場=園田典子記者】第86回選抜高校野球大会に出場する桐生第一高校野球部は18日、阪神甲子園球場で公式練習を行った。夢の舞台に初めて足を踏み入れた選手たちは「思ったより広い」「守りやすい」「打った音が響いて気持ちいい」などとうれしそうに話していた。

春への身支度

 湯たんぽを抱き上げて寝室に向かうことがなくなり、その湯を沸かしてくれたストーブも降板し、ダウンジャケットを羽織る気にならずブーツも仕舞おう。だんだん、身軽になる▼家猫がおなかを見せて寝るようになると春だねって感覚に、平穏な暮らしが実在する。あの昭和モダンの赤い屋根の家うちも、幸せだったのだ。国に戦争がなく、人に恋愛がなければ、安泰な生活が続いただろう▼映画「小さいおうち」を観た。目当ては予告編で見た奥さま松たか子のきもの姿と、女中役でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した黒木華。直木賞受賞の原作は読まないまま、改めて昭和10年代の混沌とした日本に興味を持つことになった▼お召が多かった奥さまのきものと、縞木綿に割烹着やお下がりの銘仙に半幅帯の女中スタイル。男装のモガ、内和外洋の旦那さま。ファッションは楽しかったが、物語の最大の鍵は、帯だった。しかしいくら動揺し慌ててもああなるか、どうか▼結んで解いて、また結び。手の返し、表と裏、折り方。鏡の前で帯締めをくわえる姿も強烈な女力を発したが、紅をのせていてはありえない。些細な動きが見事だったからこそ、身にしみて解せないこともある。春だから。(流)

パラリンピックに思う

 ロシアのソチで開かれていた冬季パラリンピックが17日、閉幕した。競技をテレビ観戦しながら、人間がスポーツすることのおもしろさと、パラリンピックというイベントの意味を、改めて感じとることができた。